はじめに
お子さんやご自身の趣味で絵の具を使ったあと、「あっ、洋服に…!」「カーペットにべったり…!」と焦った経験はありませんか?絵の具は色も鮮やかで楽しい反面、うっかりこぼしてしまうと「どうしよう…」と戸惑ってしまいますよね。
特に、小さなお子さんがいらっしゃるご家庭では、毎日のように絵を描いたり塗り絵をしたりと、絵の具を使う機会も多いのではないでしょうか?そんなときに限って、お気に入りのお洋服やラグ、壁紙にまで絵の具がついてしまって、落とし方が分からず困ることもあると思います。
今回は、そんな「どうしたらいいの?」という声にお応えして、家庭にある“歯磨き粉”を使った簡単で安心な汚れ落としの方法をご紹介します。歯磨き粉と聞くと意外に思われるかもしれませんが、実は汚れを落とす力がとても優れているんです。
はじめてこうしたお掃除に取り組む方でも大丈夫。道具も特別なものは必要ありませんし、どなたでもすぐに実践できるような内容になっています。
お洋服、床、カーペットなど、汚れてしまった場所に合わせた対処法もご紹介しますので、読み終わるころには「もう絵の具汚れも怖くない!」と思っていただけるはずです。
それでは、さっそく一緒に見ていきましょう。
絵の具汚れを落とす3つの基本ルール
絵の具の種類を見極めよう(⽔性と油性)
まず初めに大切なのが、絵の具の種類を見極めること。水性絵の具は水に溶けやすく、比較的簡単に落とすことができます。一方で、油性絵の具は乾くと固まりやすく、衣類や布製品に入り込んでしまうと、少し厄介な存在になります。
お子さんが学校や保育園で使う絵の具は水性が多いですが、趣味の絵画やDIYで使う絵の具は油性のものが混ざっている場合も。パッケージや説明書きを確認してみましょう。
素材に合った洗い方を選ぶ
絵の具を落とす際は、汚れたものの素材も意識することが大切です。お洋服の素材によっては、強くこすると繊維が傷んでしまったり、色が落ちてしまうこともあるんです。
たとえば、綿素材は水や洗剤に強いので比較的扱いやすいですが、ウールやシルクなどの天然素材はとてもデリケート。優しく、そして慎重に扱うようにしましょう。
また、色柄物のお洋服は、色落ちや色移りが起こることもあるので、必ず目立たないところでテストをしてから洗いましょう。
できるだけ早く対応する
そして、何より大切なのは「時間との勝負」です。絵の具がついてしまったときに、ついそのままにしてしまうと、乾いて繊維の奥まで染み込んでしまい、落とすのがぐっと難しくなってしまいます。
できるだけ早く、可能であれば汚れた直後に水で軽く洗い流すだけでも、後々の作業が楽になりますよ。
この3つの基本ルールを頭に入れておくだけで、絵の具汚れに対して「どうしよう…」と不安にならずに、落ち着いて対応できるようになります。
歯磨き粉で落とす!驚きのキレイさ
歯磨き粉と歯ブラシで簡単ケア
絵の具の汚れた部分に、白いタイプの歯磨き粉を少しのせて、使い古しの歯ブラシで優しくくるくると円を描くようにこすってみてください。無理に力を入れなくても、泡立ちとともに汚れが浮き上がってくるのを感じられると思います。
歯磨き粉には研磨剤や界面活性剤が含まれているので、汚れを浮かせて剥がしやすくする働きがあります。ただし、ラメ入りや色付きの歯磨き粉は繊維を染めてしまう可能性があるため、できるだけ白くてシンプルなタイプを使うのがおすすめです。
しっかりと泡立てた後は、ぬるま湯で優しくすすぎ、ティッシュや乾いた布で軽く水気を吸い取るようにしましょう。布製品や衣類に使用する場合は、すすいだ後に通常通りのお洗濯をすることで、すっきりキレイに仕上がりますよ。
重曹や台所用中性洗剤でも代用可能
歯磨き粉が手元にない場合でも大丈夫。重曹や台所用の中性洗剤がとても役立ちます。重曹は粉のままではなく、少量のぬるま湯に溶かしてペースト状にしてから使うと使いやすいですよ。スポンジや布にペーストを取り、軽くたたくようにして汚れ部分に馴染ませてください。
中性洗剤を使う場合も、薄めてから布で優しくたたき洗いをするようにしましょう。強くこすると繊維を傷める恐れがあるので、焦らず丁寧に繰り返すのがポイントです。どちらの方法でも、最後は清潔な布でぬるま湯を含ませ、洗剤分をしっかりと取り除いてくださいね。
専用クリーナーを使うとさらに安心
それでも汚れがなかなか落ちないときは、布専用のクリーナーや、絵の具汚れに特化した洗剤を使ってみると安心です。最近では、子どもの衣類汚れに特化したスプレータイプの洗剤や、絵の具やインク用のクリーナーなども販売されています。
これらの製品は、汚れを分解して浮かせる成分が含まれており、特に油性絵の具などの落ちにくい汚れにも効果的です。ただし、初めて使用する際は、念のため目立たない部分で試してから使用するようにしましょう。
汚れた場所別の落とし方ガイド
衣類の場合
衣類についた絵の具は、素材や汚れの範囲によって対処方法が少し変わってきます。まずは基本の手順を確認しましょう。
- 絵の具がついた部分を水で軽く湿らせておきます。これは汚れが固まるのを防ぎ、後の作業がしやすくなるためです。
- 歯磨き粉を直接汚れ部分にのせ、使い古した柔らかめの歯ブラシやスポンジで、繊維を傷めないように優しく円を描くようにこすります。
- しっかり泡立って汚れが浮いてきたら、ぬるま湯で丁寧にすすぎます。最後に通常通り洗濯機で洗いましょう。
※色柄物やデリケートな素材は、目立たない部分でテストしてから行うのが安心です。
特にウールやシルクなどの衣類はこすりすぎないように注意し、できれば手洗いモードやドライクリーニングを検討するのも良いでしょう。
床や壁の場合
ご家庭の床や壁に絵の具がついてしまった場合も、早めの対応が大切です。
- 床(フローリング):水で湿らせた布で汚れを軽く拭き取り、その後、中性洗剤を水で薄めて再度拭き取ります。最後は乾いた布でしっかり水分を拭き取ってください。素材によってはワックスが落ちてしまう可能性があるので、目立たない場所で試すのが安心です。
- 壁紙:壁紙に絵の具がついた場合は、強くこすらずに柔らかい布を使ってぬるま湯でたたくように拭き取ります。紙素材やビニールクロスによっては、水分がしみ込まないように注意してください。汚れが広がらないよう、外側から内側に向けて拭くとよいでしょう。
カーペットの場合
カーペットに絵の具がついたときは、繊維の奥にしみ込まないうちに、すぐに対応するのがポイントです。
- 水性絵の具:乾く前に、歯磨き粉を布に取り、汚れ部分をやさしくたたくようにして洗います。ぬるま湯で濡らした布で数回たたいて、絵の具と歯磨き粉を吸い取っていきましょう。
- 油性絵の具:水だけでは落ちにくいため、専用のカーペットクリーナーやエタノールを布にしみ込ませて、同様にたたくようにして汚れを浮かせます。
- 最後に乾いた布で水分を吸い取り、完全に乾いたあとに掃除機で仕上げると、繊維もふんわり元通りになります。
必要に応じて、汚れが深い部分には繰り返し処置を行うと、よりキレイに仕上がりますよ。
時間が経った汚れへの対応方法
歯ブラシ+お湯の力で対処
乾いて固まってしまった絵の具には、まずぬるま湯を使って汚れを柔らかくしてから、歯ブラシにお湯を含ませて軽くこすってみてください。こする際は、小さな円を描くようにすると繊維の奥に入り込んだ汚れを効果的に浮かせることができます。お湯の温度は40度前後が目安で、やけどには注意しましょう。
また、歯ブラシの毛先が広がっていない柔らかめのものを使うと、生地を傷つけずに済みます。落としたあとは、乾いた布で水分を吸い取りましょう。
専用スプレーを併用すると効果的
さらに効果を高めたい場合は、市販の染み抜きスプレーを併用してみてください。固まってしまった汚れには、先にスプレーを吹きかけて数分間なじませてから、お湯を含ませた歯ブラシでこすることで、汚れがよりスムーズに落ちます。
最近では、衣類や布製品専用の浸透力が高いタイプのスプレーもあり、時間が経ってしまった頑固な汚れにも対応できます。スプレーの種類によっては脱色作用があるものもあるため、目立たない場所でのテストは忘れずに行いましょう。
子どもと楽しむための「汚さない工夫」
- お絵かき用スモックを着る(袖口や襟元までしっかりカバーするタイプがおすすめで、防水加工がされているとさらに安心)
- レジャーシートや新聞紙を床に敷いておく(滑り止め付きや厚手のタイプなら、床の保護と安全性の両方が確保できます)
- 作業スペースを壁から少し離して配置する(壁への飛びはねを防ぎ、汚れの広がりを最小限にできます)
- 絵の具のパレットや水入れは倒れにくい容器を使う(重心が低いものや、底が滑りにくい素材がおすすめ)
- 終わったらすぐにお片づけ(片づけ用のカゴやビニール袋をあらかじめ用意しておき、ウェットティッシュや濡れタオルもそばに常備しておくと便利です)
このように、少し工夫を加えるだけで、絵の具遊びのあとの片づけが格段に楽になります。親子でストレスなく、創造的な時間を楽しむためにも、事前の準備はとても大切です。ちょっとした気配りで、お掃除の手間がグッと減り、のびのびとした時間を過ごすことができますよ♪
便利グッズの紹介
- 布専用クリーナー(アマゾン等で購入可能。特にスプレータイプは狙った汚れにピンポイントで使えるので便利です)
- SNSで話題のウタマロ石けん(緑色の固形タイプが人気で、衣類だけでなく靴やカバンの汚れにも活躍します)
- 100円ショップの洗剤ブラシ(小回りがきくサイズや、握りやすい持ち手付きなど種類が豊富に揃っており、コスパも抜群です)
- メラミンスポンジ(ちょっとした壁の汚れ落としや水まわりの掃除にも使える万能選手です)
- 洗剤付きの使い捨てお掃除シート(片付けの最後にサッと拭くだけで、見た目もスッキリします)
どれもドラッグストアや100円ショップ、ネット通販で手軽に手に入るものばかりなので、いざという時のために数点ストックしておくと安心です。用途ごとに分けて収納しておくと、必要なときにサッと取り出せて便利ですよ。
まとめ|絵の具汚れは「すぐ対応」と「身近な道具」で乗り切ろう
絵の具の汚れは、早めに対処すればほとんどの場合キレイに落とすことができます。時間が経つと落としにくくなってしまいますが、水や歯磨き粉、重曹、中性洗剤といった家庭にある身近な道具を使えば、専門的なクリーニングに頼らなくても十分対応が可能です。
また、衣類やカーペット、壁や床など、汚れた場所ごとに適切な方法を選ぶことで、素材を傷めることなくスムーズにお掃除できます。特にお子さんがいるご家庭では、ちょっとした工夫や予防策を講じておくことで、そもそも汚れが広がるのを防ぐことができますよ。
「また汚しちゃった…」と焦る前に、このガイドでご紹介した方法を思い出していただけたら嬉しいです。ぜひ、日頃から備えとして必要な道具をそろえておくと、いざという時に慌てず対応でき、心にもゆとりが持てるようになります。
大切なお洋服やお気に入りの空間を守るためにも、「早めの対応」と「家庭にある道具」の力を味方につけて、絵の具汚れに上手に対処していきましょう。